まえがき
アローラ~~。お雑煮です。
ランクバトルの結果は振るいませんでしたが,SVで組んだ中では最も手応えを感じる構築ができたので,この感覚を忘れないように (あるいは忘れてもいいように) 筆を執ります。
お盆妖テラバガブを通すことに重点をおいた構築です。
結果/構築概観
構築経緯
①ガブリアス,②♂イダイトウ
9/20頃,スケイルショットガブリアスが強いという噂を耳にしたので,スケショガブからスタート。DLC解禁直前に使用していたお盆妖テラバガブリンクが,使用率最上位のポケモンとの殴り合いに強く (特にディンルー/カイリュー/ サーフゴー/ラオスあたり) 使用感が良かったため,型もお盆スケショフェアリーテラバで決定。
とある強者のスカーフ♂イダイトウにボコられて興味を惹かれていたので,同時にスカーフイダイトウも採用。
ガブ,イダイトウが共に苦手とするカミ・ツツミに後投げ可能で,かつ2匹との耐性の補完に優れるチョッキジバコを採用。
④ハバタクカミ
上の3匹である程度対応力のある選出が組めていると判断し,より次にガブの積み技の起点をつくれるポケモンを探した。BSブエナカミが,電磁波・挑発による起点作成は勿論,ガブの有利な炎・鋼・毒タイプを誘えて優秀だったため採用。
⑤キノガッサ,⑥イーユイ
ガブリアスを2手目,3手目に置く直線的な選出を想定したとき,テラスを切らずに幅広く殴り合えるポケモンが欲しかった。インファイトを採用したキノガッサが気になっていたため試しに採用してみたところ,
・炎・岩のオーガポンに強い
・ガブの得意なサーフゴーを誘う
・ガブの苦手な草タイプを誘いながら大きく削れる
など存外使用感が良かったためそのまま使い続けた。
ガブを通しにくい受けを崩しにいけて,ガッサと相性の良い眼鏡イーユイもガッサ同様使い続けた。
個体紹介
1.イダイトウ(♂)
テラスタイプ:水 特性:適応力
持ち物:拘りスカーフ
実数値 (努力値):195(0)-164(252)-86(4)-(0)-95-143(252)
技:お墓参り/ウェブタ/クイタン/アクジェ
<調整意図>
S:(スカーフ込み)最速ドラパルト抜き
<解説・雑感>
おさかな1。水ラオス,ノマテラカイリューに強気に出られるスカーフ枠である。パオや悪ラオスの不意打ちの上をとるためにアクアジェット採用。クイックターンの存在による初手投げ性能,通りの良い高火力一致技によるスイープ性能を備えており,試合の見通しを立てるのに大きく貢献してくれる。
テラスタイプはほぼ一致テラスからの2択だが,不意打ちのダメージを軽減できる水を選択した。(この記事を読んでいる皆様ならご存知のことと思うが,適応力の仕様上,テラスタイプでない方の元タイプの一致技は威力がテラス前の3/4になる上,一致テラスの上昇率も5/4と通常より小さい。そのため火力を伸ばすというよりも,耐性変化の側面を重視した選択。)
スカーフ水ラオスと比較した時の優位性としては,交代技とお墓の火力,神速無効,そしてカイリューサフゴに対する一貫の取りやすさ (テラスしていない状態の2体にはお墓が通り,片方がテラスしてもウェブタかお墓の一貫ができる) が挙げられる。一方で対パオジアン性能では大きく見劣りするため,パオに対してクイタンから安定して繋げられるポケモンを一緒に組ませてあげるべきだった。
適応力ウェーブタックルの火力がえげつないのだが,その分イダイトウ自身の消耗もえげつない。非抜群の一致技を大体耐えるくらいの耐久はあるが,それくらいしかないので,よくランドやノマテラカイリューと相打ちになっていた。さらに143という素早さが微妙で,なんと準速ランドと同速なのである (!) 初手ランド対面で毎度祈りを捧げながらウェブタを押すのはあまり健全とは言い難い。
とはいうものの,やはり一貫を作ったときの抜き性能には目を見張るものがあり,個人的に使っていて楽しいポケモンでもあったので,今後開拓が進むといいなあと勝手に思っている。
2.ハバタクカミ
テラスタイプ:炎 特性:古代活性
持ち物:ブーストエナジー
実数値 (努力値):139(68)-67(0)-99(188)-155(0)-155(0)-205(252) (A個体値0)
技:ムンフォ/祟り目/電磁波/挑発
<調整意図>
S:相手のブエナカミに同速勝負を挑むため最速。
H:176 (252)ツツミのフリドラ+ドロポン耐え
<解説・雑感>
元々ガブの起点づくりを狙って採用したポケモンだったが,結局相手のブエナカミやカイリューを止める目的でかなり多くの試合で選出することになってしまった。
補助技2種による起点作成は勿論のこと,鋼・毒・炎・電気を強く誘う性質上そもそもガブの有利対面をつくりやすく,前座として非常に優秀だった。ガブの積みを通すうえでやや厄介なカバルドンやディンルーを,誘いながら削って挑発することができる点も素晴らしい。
あとやっぱり電磁波麻痺が馬鹿。
3.ジバコイル
テラスタイプ:飛行 特性:アナライズ
持ち物:突撃チョッキ
実数値 (努力値):177(252)-81(0)-136(4)-150(0)-156(252)-73(0)
技:ラスカ/放電/ボルチェン/ヘビボン
<調整意図>
HD:カミツツミサフゴなどの攻撃を沢山もらうので特化。
性格:カミの突破をより確実にしたり,ラッキー/ハピナスに対して放電麻痺と併せて突破の可能性を上げたりするため,下降補正はAではなくSに。
<解説・雑感>
イダイトウのお墓の一貫がすごい構築に対して,カミツツミを流すために選出することが多かった。ミミッキュ・岩ポンなど一部の厄介な物理対面駒に対して有利をとれるのも便利。ドラパやサフゴの電磁波を受けながら裏のカミやイーユイにボルチェンで繋げられるのも偉い。……のだが構築全体で地面の一貫が凄まじいため,選出機会は結構絞られてしまっていた。
テラスタイプは緊急回避的に地面を透かすための飛行だが,動きとして弱すぎるので一回も切らなかった。たぶん,性格同様受けルのハピラキを突破する確率を上げる狙いで鋼とかでいい。
4.キノガッサ
テラスタイプ:ゴースト 特性:テクニシャン
持ち物:気合の襷
実数値 (努力値):135(0)-200(252)-101(0)-(0)-80-122(252)
<調整意図>
A:対オーガポンや対カミの勝率を高め,ゴリランダーを大きく削るため特化。
<解説・雑感>
胞子を振りまくことをやめ殴り合いに専念することにしたきのこ。初手のポンやゴリラに合わせて雑に削りを任せる他,雨イダイトウやトリルイダイトウ・ガチグマのためのストッパーとして選出する。またサフゴを誘い,ガブリアスの有利対面形成にも一役買う。
技について,テクニガッサの強さの根幹を担うマッパ・タネガンに加え,今回はカイリュー意識の岩石封じと,相手の草ポケモン・草テラスを削るインファイトを採用した。インファイトは,ガブリアスが苦手とするゴリランダーやチオンジェンを相手の考慮外から削ってもらう (もしくは倒す) 意味合いが強いが,その他にもガッサの前で草テラスを切ってくれるポケモン (ドランやフロル) にテラスを吐かせたうえで対面勝てるようになったりと何かと便利。テラスと併せて,削れたノマテラカイリューを葬るのにも使える。勿論胞子が欲しい場面もある (カミ・パオ対面で顕著) ため,必ずしもインファ入れ得とは思わないが採用を検討する価値は十分にある技である。誘うサフゴに打点がないが,ガブ・イーユイ・ジバコが有利かつカミ・イダイも打点を持つので,必要なしと判断した。
5.ガブリアス
テラスタイプ:フェアリー 特性:鮫肌
持ち物:オボンの実
実数値 (努力値):194(84)-180(108)-127(92)-90(0)-106-150(220)
<調整意図>
S:準速ウーラオス抜き
A:{+2} スケショ3ヒットで155(0)-101(4)パオ99%一発
HB:172(252)テラス炎ポンのじゃれつく14/16耐え
<解説・雑感>
おさかな2。テラス込みで幅広いポケモンと五分以上で殴り合うことができる。コイツが最強と信じて,このポケモンを主軸に構築を組んだ。そのため,選出画面や試合中は,ガブのHPのリソースをどこに割いてよいのか,ガブを通すために相手のパーティの誰をどうやって削るかなどを考える時間が長かった。(例えば,ガブリアスはカイリューサフゴの両者に有利だが,HP満タンの2匹を1匹で見ることは難しいため,対サフゴでの負担を分散するためにジバコを噛ませるなど。) テラスも多くの試合でこのポケモンに切る。
ランド+カミの増加,ゴリランダーの増加,パオカミの復権など,さすがに終盤環境での刺さりはとても良いとは言い難かったものの,剣舞・スケショを積んだときの抜き性能は依然抜群だった。
スケショガブのテラスタイプは鋼とフェアリーが一般的である。鋼の主なメリットはカミとの役割関係が逆転すること,襷パオからの打点が接触技のみになり相打ちにもっていきやすくなることなどである。一方の妖テラスは,ディンルーや悪ラオスに顕著に強くなるほか,地震との攻めの補完に優れ弱点をつかれづらい。構築の大黒柱になってもらう以上撃ち合える相手を増やしたかったため,範囲が広く地震で弱点をつかれないフェアリーを選択した。
6.イーユイ
テラスタイプ:草 特性:わざわいのたま
持ち物:拘り眼鏡
実数値 (努力値):131(4)-76(0)-100(0)-187(252)-140(0)-167(252) (A個体値0)
技:オバヒ/放射/悪波/テラバ
<調整意図>
S:コノヨ,ランド,ラオス等の上を確実にとり,ミラーで同速勝負を仕掛けるため最速。
<解説・雑感>
おさかな3。ラッシャ絡みやドヒド絡みなど受け気質の構築に対して選出するほか,ステロコノヨ展開に対して初手に投げたりもしていた。最速のおかげで,塩入りの悪ラオスやチョッキイーユイに対しても最低限の攻撃ができるため,塩入りの対面構築に対して選出択にならずに出していける点が特に使いやすかった。
厳しいポケモン/無理なポケモン
"厳しいポケモン"は,そのポケモン一匹がいるだけで選出・動きが大きく制限されるポケモン,"無理なポケモン"は,選出段階では判別し難く試合中に詰みがわかる特定の型,というイメージ。
1.ゴリランダー
厳しい。イダイ・ジバコが動きを強く制限され,髪も十分に仕事が果たせない。何よりGFによる地震の威力減衰。カミかガブで削りきるために,ガッサのインファイトをぶち込むのがほぼ必須になってくる。このため,ガッサより速いとんぼ返り (1敗) またはグラスシード持ち (3敗) だとほぼ勝ちの目なし。偶に舐めくさったゴリラがガッサ対面剣舞をしてきて,インファ+マッパで無償突破させてくれるため,一転イージーウィンという場合もなくはない。
2. (スカーフ) 霊獣ランドロス
厳しい。上からの地震の一貫がヤバい。ただただヤバい。初手イダイトウでウェブタを当てに行くが,イダイトウの項で触れた通り準速ランドと最速イダイトウが同速であるためやってることがおかしい気はする。
3.キョジオーン
かなり厳しい。まともに崩しうる手段が,剣舞ガブか眼鏡イーユイしかない。この2匹のどちらかで裏ごと貫けることを祈る。
4.飛行テラバカイリュー (ラム,嘴)
かなり無理寄り。というのも,この手のカイリュー入りの対面構築に対しては基本キノガッサから入るのだが,ガッサの岩封でHPが3~4割削れたカイリューを上から一撃で倒す手段がこの構築にはほとんどないのである (イダイトウのウェブタくらい) 。そのためカイリュー1匹に1.5匹くらいもっていかれた状態を作られて,そのまま数的不利を覆せないまま負ける(いっ敗)。これに類する初手テラスして荒らす系のカイリューが悉くキツい。最終日にレートが1900前後から伸びなかった原因の一つは明らかに,この手の対面構築へ解答を用意できなかったことにある。選出画面で竜舞ノマテラと区別しづらいのが難しい。
選出例
相性補完に優れた3体による比較的サイクル寄りの選出。対面操作技により削りを入れながら,ガブの有利対面で剣舞を通し,討ち漏らしをイダイトウでスイープするイメージ。無理なくこの選出ができると強い。何より蜻蛉ル (蜻蛉ではないが) が楽しい。
最終的に一番多かった選出。行動保証もち(襷,ブエナ,妖テラス+お盆)で固めたシンプルな形。キノガッサで初手殴り勝ち,裏から出てきたカイリューやブエナカミにこちらのカミをぶつけながらラス1ガブで詰める展開が勝ちパターンとしては多かった。裏を返せばガッサが初手で満足に仕事できず数的不利を押し付けられると覆せず負ける。ゆえに初手カイリューが厳しい。
3.イダイトウ→??+??
スカーフっぽいランド入りに対して。開始0.3秒でウェブタを押す。相手がテラスを切ってくる場合も含めて意外と通る。ウェブタが通らず裏をガッサガブと選出していた場合,ガッサのマッパによる削りを入れておくことで,ガブの {+1} スケショ4ヒットが165(4)-110(0)ランドを飛ばしやすくなるのでマッパは素直に押した方がいい (1敗)。
4.ハバタクカミ→??+??
ステロ展開っぽい構築に対して,キノガッサのストッパー機能を残すために上からの挑発で展開阻害する。或いはドヒド入りのサイクルに対して,電磁波挑発で荒らしてから裏を通す。
主に塩入りに対しての選出。塩が選出された場合,ガッサでテラスを吐かせる。HD毒テラスならガブを,HB妖テラスならイーユイを,それぞれ通す。塩が選出されなかった場合でも,ガッサガブが殴り合い強めでイーユイも最低限それに参加できるため試合にはなる。
6.イーユイ→??+??
中盤流行した初手コノヨ入りへの選出。電気玉・お盆っぽいコノヨにはオバヒをうって上からワンパン。襷っぽいコノヨには悪波から入り,イーユイを突破するかステロを撒くかの2択を強いる。怯めばラッキー。裏の2枚は,相手のエースを止められそうな子を選択。
あとがき
3年前に初めて出した構築記事が1万字超えで流石にやりすぎたなと思い次は簡潔に書こうと決めていたんですが,今度もやっぱり冗長になってしまいました。反省です。
ここまで長文・駄文にお付き合いいただきありがとうございます。次はランクバトルでお会いしましょう。